「Apollo Twinを買ったのに、Logic Proでギターを録ると音が遅れる」。
「ヘッドホンから、自分の音が二重に聞こえる」。
Apollo Twinを使い始めたギタリストが、最初にぶつかるのがこの2つです。
原因の多くは、Logic Pro側の設定とモニタリングの経路にあります。
この記事は、初代Apollo Twin Solo(Thunderbolt接続)の環境で使っている設定をもとにまとめています。
新しいApollo Twin Xなどは、接続端子などが異なる場合があります。
Apollo TwinでLogic Proを使うときに押さえるのは、Hi-Z入力とバッファとモニタリングの3つです。
Hi-Zはギター専用の入力、バッファは音の処理の待ち時間の設定、モニタリングは自分の音を聴く経路です。
この3つで、遅延と二重音を避けられます。
なかでも大切なのは、ConsoleとLogicのどちらで聴くかを決めておくことです。
Apollo TwinとLogic Proの使い方|設定の全体像
先に、設定する場所と考え方を一覧にします。
| 設定 | 場所 | 考え方 |
|---|---|---|
| Hi-Z入力 | Apollo本体の前面 | ギターを前面のHi-Zジャックにつなぐ |
| I/Oバッファサイズ | Logic Pro > 設定 > オーディオ | 小さいほど遅延が減る。途切れたら大きくする |
| モニタリング | ConsoleとLogic Pro | 聴く場所を1か所に決め、もう片方は切る |
ギターをつなぐ|Hi-Z入力の注意点
Apollo Twinでギターをつなぐ場所は、前面のHi-Zインストゥルメント入力です。
ここに、モノラル(TS)のシールドを差し込みます。ふだんのギター用シールドの端子です。
差し込むと、チャンネル1ではHi-Zが自動で優先されます。
つまずきやすい点が3つあります。
Hi-Zはチャンネル1だけで使えます。2本のギターを同時にHi-Zで録ることはできません。
Hi-Zはモノラル(TS)プラグ専用です。TRSでは使えません。
Hi-Zを差している間は、Hi-Zが優先されます。チャンネル1のマイクやライン入力は使われません。
以上は、Apollo Twinのハードウェアマニュアル(UA公式)によります。
Logic Proの設定|オーディオデバイスとバッファ
入力と出力をApolloにする
Logic Proを開き、「Logic Pro > 設定 > オーディオ > デバイス」を開きます。
出力デバイスと入力デバイスを、どちらもApollo Twinにします。
Logic Pro自体のギター録音の手順は、こちらにまとめています。
-
-
Logic Proでギターを録音する手順を最初から解説【初心者向け】
「Logic Proを買ったけど、ギターをどう録音すればいいのか分からない」。 そんな悩みを持つギタリストは多いはずです。 私も最初は同じでした。 この記事では、Logic Proでギターを録音する手 ...
I/Oバッファサイズの考え方
I/Oバッファサイズは、音をパソコンで処理するときの待ち時間を決める設定です。
小さくすると遅延が減りますが、パソコンの負荷が上がります。
大きくすると負荷は下がりますが、遅延が増えます(Appleのサポート情報による)。
遅延を減らしたいときは、バッファを小さくします。
音が途切れるときは、大きくします。
どこまで小さくできるかは、Macの性能とプラグインの数で変わります。
音が途切れる(プチプチ鳴る)なら、一段階だけ大きくして様子を見ます。
ミックスでプラグインが増えると負荷が上がるので、大きめにする人もいます。
モニタリングは2通り|ConsoleかLogicか
ここが、Apollo特有のポイントです。
自分の演奏を聴く経路が、2通りあります。
| A:Consoleで聴く | B:Logicで聴く | |
|---|---|---|
| 遅延 | ほぼゼロ | バッファサイズに左右される |
| 使える音源 | Apollo内蔵DSPで動くUADプラグイン | Logic内のプラグイン(Amp DesignerやNative版など) |
| Logic側の設定 | ソフトウェアモニタリングを切る | Consoleのモニターを切る |
| 向いている人 | 遅延をゼロにして録りたい人 | 録り音を、Logic内のアンプシミュで作り込みたい人 |
A:Consoleで聴くとき
Consoleの入力チャンネルにUnisonやUADのプラグインを挿し、そのまま聴く方法です。
Unisonは、Apollo独自のアンプやペダルを入力段で再現する機能です。
Consoleには、2つのモードがあります。
Monitorモードは、プラグインの音を聴けます。ただしLogicに録られる音は、元のままです。
Recordモードは、プラグインをかけた音がそのままLogicに録られます(UA公式の解説による)。
このとき、Logic側のソフトウェアモニタリングを切ります。
切らないと、Consoleの音とLogicの音が重なって二重に聞こえます。
Logic Proの「設定 > オーディオ」を開き、「ソフトウェアモニタリング」のチェックを外します。
バージョンによって、「デバイス」か「一般」のタブにあります(Apple公式マニュアルによる)。
B:Logicで聴くとき
Logicのトラックにアンプシミュを挿し、Logicの中で聴く方法です。
この場合は、Consoleのモニターを切ります。
遅延を減らすには、バッファを小さくします。
あわせて、Logicの「録音 > 低レイテンシモード」も使えます。
低レイテンシモードは、遅延の大きいプラグインを避けて遅れを抑える機能です(Appleのサポート情報による)。
アンプの音をLogicの中で作り込みたいなら、B。
とにかく遅延をなくして録りたいなら、Aです。
Apollo Twinで音が出ない・遅れる・二重になるときの対処
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| 音が二重に聞こえる | ConsoleとLogicの両方でモニターしている。どちらか一方を切る |
| ギターの音が出ない | TRSではなくTS(ふだんのギター用シールド)か確認する。チャンネル1のHi-Zにつないでいるか確認する |
| 音が遅れて聞こえる | Logicでモニターしている場合は、I/Oバッファサイズを小さくする |
| 音が途切れる | バッファサイズを一段階大きくする。不要なプラグインを外す |
| Macが認識しない | Thunderbolt 3以降のMacでは、変換アダプタが必要になる場合がある。対応するmacOSは、UAの公式対応表で確認する |
Apollo Twinは、Thunderbolt 1または2の端子で接続します(UA公式の表記)。
新しいMacのThunderbolt 3端子につなぐときは、変換アダプタが必要です。
使えるアダプタと対応macOSは、UAの公式ページで確認してください。
Apple純正アダプタ(A1790)の購入先:楽天|Yahoo!ショッピング
録ったあとの仕上げ|UADのNative版は、Apolloがなくても動く
ここまでで、Logicにきれいにギターが録れる状態になりました。
次は、録った音をどう仕上げるかです。
UADのプラグインには、Apolloのような専用機がなくても動くNative版があります。
Native版はDSPではなく、Macの処理で動きます。
つまり、Apollo Twin Soloの限られたDSPを消費しません。
そのため、Logicの中で気軽に使えます。ただしMacのCPUは使うので、重いときはバッファを大きくします。
Apollo Twin Soloに載るDSPは、SHARCというチップ1基です。
Native版なら、この上限を気にせずLogic内で使えます。
ギターの音づくりには、Paradise Guitar Studioを使っています。
Paradise Guitar StudioはUAD Native形式で、Apolloのような専用ハードは不要です。
詳しい使い心地は、レビュー記事にまとめています。
-
-
【実機レビュー】UAD Paradise Guitar Studioの正直な感想|宅録ギターが録り音で完成する理由
「アンプシムを挿しても、なんか録り音が完成しない」 そんな悩みを、UADのParadise Guitar Studioがかなり解決してくれました。 これは2025年12月に出た、ユニバーサルオーディオ ...
録ったギターをバンドになじませたいなら、Sound City Studiosです。
-
-
【レビュー】UAD Sound City Studiosプラグインの使い方と実力|宅録ギターの"浮き"が消えた話
「宅録のギターが、なんか曲から浮く」。 これ、僕がずっと抱えていた悩みでした。 音作り自体は悪くない。 でもドラムやベースと並べると違和感が出ます。 ギターだけ別の部屋で鳴っているみたいに浮く。 その ...
プラグインの選び方をまとめて知りたい方は、こちらをどうぞ。
-
-
UADおすすめプラグイン|ギター宅録の本命はParadise Guitar Studio【13年弾いた筆者が厳選】
「UADのプラグインって種類が多すぎる…」 「ギター宅録にはどれを買えばいいの?」 そんな悩みに、ギター歴13年・DTM歴8年のryoが答えます。 結論から言うと、いま宅録ギタリストが最初に選ぶならP ...
よくある質問(FAQ)
Q1. ギターはHi-Zと、ラインのどちらにつなぎますか?
Hi-Zです。ギターの信号は、ライン入力より弱く、入力側との電気的な相性(インピーダンス)も違うためです。Apollo Twinでは、前面のHi-Z入力にTSシールドを差し込みます。
Q2. ギター2本を同時にHi-Zで録音できますか?
できません。Hi-Zはチャンネル1だけで使えます。2本目を録るには、DI(ギターの信号をライン信号に変換する機器)を使って入力するなどの方法が必要です。
Q3. Apollo Twin Soloで、UADのNative版プラグインは使えますか?
使えます。Native版はMacの処理で動くため、Apolloのハードは必須ではありません。Apolloの内蔵DSPも消費しません。
Q4. 初めてのDAW録音でも、この設定でできますか?
できます。Logic Pro自体の使い方に不安があるなら、先にこちらの記事で手順を確認してください。
-
-
Logic Proの使い方完全ガイド|初期設定から曲の書き出しまで5ステップ【初心者向け】
「Logic Proを買ったけど、どこから触ればいいかわからない」 そんな状態からのスタートで大丈夫です。 Logic Proは機能が多いDAWです。 でも、最初に覚える操作はそれほど多くありません。 ...
まとめ|Apolloの宅録は「経路を1つに決める」
Apollo TwinでLogic Proを使うときは、Hi-Z入力とバッファとモニタリングで安定します。
遅延・二重音・音が出ないときは、まずConsoleかLogicのどちらで聴くかを1つに決めましょう。
オーディオインターフェイスの選び方を整理したい方は、こちらの記事が参考になります。
-
-
【失敗しない】オーディオインターフェイスとは?ギタリスト目線の選び方
ギターをPCで録音したい。 そう思ったとき、最初に必要になるのがオーディオインターフェイスです。 でも「名前は聞くけど、何をする機械か分からない」。 そんな人は多いはずです。 この記事では、ギタリスト ...

