こんな方におすすめ
- DTMを始めたいけど何から揃えればいいか分からない
- バンドのデモを自分で作れるようになりたい
- GarageBandからステップアップしたい
- アンプシムの選び方を知りたい
この記事で分かること
- DTMに必要な機材・ソフトの全体像
- 最短でDTM環境を整える手順
- 予算別のスタートプラン
- GarageBandからLogic Proへ移行するタイミング
- バンドのデモ制作で使えるアンプシムの選び方
結論から言うと、ギタリストはDTMを始めるうえで有利です。
コードの知識がある。バンドサウンドのイメージがある。「こういう音にしたい」という感覚がある。DTMはその感覚を形にする道具にすぎません。
私自身、最初はiPadとiRigだけで宅録を始めました。
難しいことは何も考えず、「とりあえずデモを作れればいい」という気持ちでスタート。それでも録って重ねて聴き返す作業が楽しくて、気づけばDTM歴8年になっていました。
本格的にやりたくなったタイミングでLogic ProとTascamのインターフェイスを購入。そこから音作りへのこだわりが一気に深まりました。
ギタリストがDTMを始めるメリット
DTMを始める前に、宅録のメリットを整理しておきます。
| メリット | 内容 |
| いつでも録れる | スタジオの予約不要。深夜でもヘッドフォンでOK |
| デモが速く作れる | メンバーへのイメージ共有が楽になる |
| 音を追求できる | アンプシムで何十種類もの音を試せる |
| スキルが資産になる | 宅録・ミックスの知識は一生使える |
| コストが下がる | スタジオ代・マイク代・アンプ代が削減できる |
「難しいミックスをマスターしなくても、デモが作れれば十分」という割り切りが挫折しないコツです。
まず揃えるべきもの
必要なものを全部挙げると無限に出てきます。
でも最初に揃えるべきものは3つだけです。
step
1PC(MacまたはWindows)
すでにPCがある場合はそのまま使えます。
新しく購入する場合はDTM向けのスペックを確認しましょう。
step
2DAW(録音ソフト)
録音・編集・ミックスを行うソフトです。
Macなら無料のGarageBandから始められます。
本格的に使うならLogic Pro(買い切り。価格は変動ありますが¥24,000前後)が最強コスパ。
step
3オーディオインターフェイス(略してI/F)
ギターをPCに繋ぐための機器です。
PCに直挿ししても音は出ますが、音質が悪く、レイテンシー(遅延)も大きくなります。
この記事では以降「I/F」と表記しますが、すべてオーディオインターフェイスのことです。
最低1万円台のものを用意しましょう。
ポイント
PCはどれくらいのスペックが必要?
すでにMacやWindowsを持っている場合、まず今のPCで試してみるのがおすすめです。
GarageBandやDAWは比較的軽く動きます。数年前のPCでも普通に使えるケースが多いです。
Logic Proの推奨スペック
| 項目 | 最低限 | 快適に使うなら |
| OS | macOS 13 Ventura以降 | 最新macOSを推奨 |
| チップ | Apple Silicon(M1) またはIntel Core i5 |
M2以降が理想 |
| RAM | 8GB | 16GB以上 |
| ストレージ | SSD 256GB | SSD 512GB以上 |
Apple SiliconのMac(M1以降)はDTMと相性抜群です。新規購入ならM2以降のMacBook Airが宅録用としてコスパ最強。
Windowsユーザーへ
Windowsなら以下が目安です。
- CPU:Core i5以上
- RAM:16GB
- SSD搭載
DAWはCakewalk(無料)かReaper(¥7,000〜)がコスパ◎。
DAWの選び方
DAW選びは多くの初心者が悩む部分です。
結論から言うと、Macユーザーは「GarageBand → Logic Pro」の順が最短ルートです。
GarageBandから始めるべき理由
GarageBandはMacに無料でインストールされているDAWです。
機能は限定的ですが、デモ制作なら十分すぎるほど使えます。
Logic Proに移行するタイミング
以下に当てはまったら移行のサインです。
| 移行の目安 | 理由 |
| プラグインを増やしたい | Logic ProはAU/VSTを無制限で追加可能 |
| ミックスにこだわりたい | 標準のEQ・コンプ・リバーブがプロレベル |
| 既存プロジェクトを使いたい | GarageBandのデータを完全に引き継げる |
オーディオインターフェイスの選び方
I/F選びは最初の大きな判断です。
| 予算 | 製品名 | 特徴 |
| 〜¥15,000 | Scarlett Solo (第4世代) |
ひとり宅録の定番。1ch入力 |
| 〜¥25,000 | Scarlett 2i2 (第4世代) |
2ch入力。ギター+歌同時録り可能 |
| 〜¥35,000 | SSL 2+ | 音質が一段上。プロ品質志向 |
| 所持者向け | BOSS GT-1000 COREなど | I/O機能付きマルチはそのまま使える場合あり |
ひとり宅録なら入力1〜2chで十分。ギター+歌の同時録りをするなら2chを選びましょう。
モニターヘッドフォンの選び方
宅録ではヘッドフォン選びが思った以上に重要です。
リスニング用イヤフォンやAirPodsは宅録に向きません。
低音が強調されすぎていて、ミックスの判断が正確にできないからです。
予算別おすすめ
| 予算 | 製品名 | 特徴 |
| 〜¥6,000 | CLASSIC PRO CPH7000 |
コスパ最強。最初の1本に最適 |
| 〜¥10,000 | SONY MDR-7506 | 世界標準のスタジオモニター |
| 〜¥20,000 | Audio-Technica ATH-M50x |
バランス優秀。長時間でも疲れにくい |
コスパ重視ならCPH7000から
「まずヘッドフォンに予算をかけたくない」という方はここから始めてOKです。
アンプシミュレーターの基本
宅録ギタリストにとってアンプシムは必須の存在です。
本物のアンプをマイクで録るのは現実的ではありません。
部屋の環境・マイキングの知識・近所への配慮…ハードルが高すぎます。
アンプシムならヘッドフォン1本で本格的なアンプサウンドが得られるのが最大のメリットです。
アンプシム実機を使ってもOK。BOSSのGT-1000やLine 6 Helixのようなマルチエフェクター・アンプシム実機を持っているなら、それをI/F経由でDAWに入れれば同じことができます。
すでにエフェクターを持っているギタリストは、それを活かす選択肢もアリです。
まず試すべき無料・格安の選択肢
Logic Pro付属のAmp Designerは侮れません。
Fender・Marshall・Voxあたりはデモレベルなら十分通用します。
TONEX無料版もおすすめです。
ToneNETから無数のアンプキャプチャーを無料でダウンロードして使えます。
本格的に使うなら
| 製品 | 価格 | 特徴 |
| TONEX MAX | 定価¥49,490 (BFで大幅割引) |
AIキャプチャー精度が高い。 シューゲ・オルタナ向き |
| AmpliTube 5 MAX v2 |
定価¥49,490 (BFで大幅割引) |
収録アンプ数が膨大。 オールラウンド |
| Neural DSP | ¥20,000〜30,000 | モダンハイゲイン系が優秀 |
| Amp Designer | 無料 (Logic Pro付属) |
デモ・クリーン系なら十分 |
私はTONEX MAXをメインに使っています。空間系はUAD Sound City Studios。まず無料版を試してから判断するのがおすすめです。
DTM環境を整える5ステップ
具体的な順番で整理します。
step
1GarageBandを開いて録音してみる
Macなら今すぐ無料でできます。
I/Fがなくても、PC内蔵マイクで操作感を掴むだけでOK。
費用:0円
step
2オーディオインターフェイスを買う
Scarlett Soloか2i2が無難。
ドライバーを入れてギターを繋ぐだけで宅録環境が整います。
費用:¥15,000〜25,000
step
3モニターヘッドフォンを用意する
CPH7000・MDR-7506・ATH-M50xから選びましょう。
リスニング用イヤフォンはミックスに向きません。
費用:¥6,000〜20,000
step
4アンプシムを導入する
まずはAmp DesignerかTONEX無料版を試す。
有料版は毎年11月のブラックフライデー(以下BF)まで待つと大幅割引で買えます。
BFが遠い時期でも、各社が単発セールをやっていることがあります。都度チェックしてみてください。
費用:0円〜(無料版から)
step
51曲デモを完成させる
ギター・ベース・ドラム打ち込みで1曲を仕上げる。
「最後まで作り切ること」が最大の学習です。
ここから本当の宅録が始まる
予算別スタートプラン
初期費用の目安を3段階でまとめました。
最初は2万円プランで十分です。
ミニマムプラン:〜¥20,000
- DAW:GarageBand(無料)
- I/F:Scarlett Solo(¥14,000)
- ヘッドフォン:CPH7000(¥6,000)
- アンプシム:Amp Designer(付属)
→ バンドのデモ制作には十分
おすすめプラン:〜¥50,000
- DAW:Logic Pro(¥24,000)
- I/F:Scarlett 2i2(¥22,000)
- ヘッドフォン:MDR-7506(¥9,000)
- アンプシム:TONEX無料版 or BFで購入
→ 長く使えるバランス型
本格プラン:〜¥100,000
- DAW:Logic Pro(¥24,000)
- I/F:SSL 2+(¥35,000)
- ヘッドフォン:ATH-M50x(¥16,000)
- アンプシム:TONEX MAX or AmpliTube 5
- 空間系:UAD Sound City Studios
→ 本格的なミックスまで対応
TONEX MAXやAmpliTube 5は毎年11月のブラックフライデー(BF)で大幅値下がりします。
定価合計¥100,000近いものが¥16,000前後になることも。
アンプシム購入はBFまで待つのが賢い選択。
BFが遠ければ各社サイトで単発セールを都度チェックしましょう。
次にやること:最初の1曲を録る
環境が整ったら、とにかく1曲作ることを目標にしてください。
完成度は問いません。
step
1ドラムを用意する
宅録で一番難しいのがドラムです。
マイクを立てて部屋で録るのは現実的ではありません。
主に3つの方法から選びます。
| 方法 | 特徴 |
| 打ち込み(MIDI) | 手軽で自由度が高い。完成度も高い |
| スタジオ録音 | 本物のサウンドが録れる。費用がかかる |
| 電子ドラム入力 | 人間らしいグルーブが出る |
おすすめの順番は「まず打ち込みで完成→クオリティを上げたければスタジオ録音」。最初から生ドラムにこだわると制作が止まります。
step
2リズムギターを録る
クリックに合わせてコード進行を2〜3テイク録音。
左右にパンニングしてダブリングするだけで、一気にバンドらしくなります。
step
3ベースを追加する
ベースがあればDIで録音。
なければソフト音源で打ち込みでOK。
ローコードをなぞるだけでも、サウンドが格段に太くなります。
step
4書き出してメンバーに共有
mp3やwavで書き出してメンバーに送るだけ。
宅録がバンドの制作スタイルを変えていきます。
Google Driveの共有フォルダでデータを管理するのがおすすめ。
プロジェクト・音源・参考音源をひとまとめにできます。
ちゃんと作り込むなら数日〜1週間。完成版を目指すなら数週間以上かかることも。
最初は「完成」の定義を低く設定するのが大事です。
まとめ
ポイント
- まず揃えるのは「PC・DAW・I/F」の3つだけ
- MacユーザーはGarageBand→Logic Proの順
- アンプシムは無料版から始め、有料版はBFで購入
- 完成度より「1曲作り切ること」が最大の学習
宅録DTMは、最初の一歩を踏み出してしまえば自然と深みにハマります。
iPadとiRigで始めたあの日の「なんか録れた」という感覚が、今も宅録を続けるモチベーションの原点です。