その経験から結論をハッキリ言います。
バンドサウンドを宅録で完結させるなら必要十分すぎるくらい揃っています。その実感をまとめますね
先に結論(この記事のポイント)
・アンプ111/キャビ106/エフェクト111でバンドの全パート分の音をカバー
・VIR™とDIM™という独自技術で、宅録ギターが「分厚く」鳴る
・TONEX連携でAIキャプチャーした音もそのまま使える
・Logic Pro標準のAmp Designerでは物足りない人の決定版
・通常価格は高めだが、セール時は大幅値下げが恒例なので狙い目
他にも欲しいなら「Total Studio 5 MAX」のようなバンドルもあります。価格・セール情報は変動するため、購入前に商品ページでご確認ください。
AmpliTube 5 MAX v2を3行でまとめると
AmpliTube 5 MAX v2はギター/ベース用アンプシミュレーターの最上位版です。
IK Multimediaが20年以上開発してきたプラグインになります。
435種類のギアモデルを1本にまとめています。
実機メーカー公認のFenderやMesa/Boogie、Marshall系も含まれます。
v2の最大の追加点は2つあります。
AIマシンモデリングで音を取り込む同社の「TONEX」との連携です。
もう1つはプリセット共有プラットフォーム「ToneNET」の統合になります。
アンプシミュレーターって何?という方は先にアンプシミュレーターの基本|接続順とゲインの考え方を読むとイメージしやすいです
筆者の宅録環境(このレビューの前提)
ryoの宅録環境
- ギター歴:13年(オルタナ・グランジ・シューゲなど現象系サウンド中心)
- DTM歴:5年(iPad+iRigから始めてMac+Logic Proへ)
- I/F(オーディオインターフェイス):Tascam
- 所有プラグイン:TONEX MAX/AmpliTube 5/UAD Sound City Studios ほか
- バンド運営:メンバーとGoogle Drive共有で宅録デモを制作・検討
バンドマンの宅録に「必要十分」と言える5つの理由
ここからが本題です。ライン録り中心の宅録バンドマンに、なぜこれが刺さるのか。
理由を5点に絞って解説します。
1. 435種類のギア収録──全パート分の音が揃う
MAX v2の最大の強みは物量です。
具体的には次のような構成になっています。
| カテゴリ | MAX v2収録数 | 主な内容 |
| アンプ | 111 | Fender ‘59 Bassman/Mesa/Boogie Dual Rectifier/Orange AD 200/Marshall JCM800系 など |
| キャビネット | 106 | 1×12〜8×10をVIR™で再キャプチャー |
| ストンプ(エフェクト) | 111 | OD・ファズ・モジュレーション・Brian May/Satriani公認モデル など |
| ラックエフェクト | 48 | T-RackS 5由来23本を含むスタジオ系プロセッサ |
| スピーカー単体 | 33 | キャビ間で差し替え可能 |
| マイク | 18 | コンデンサー・ダイナミック・リボン |
| ルーム | 8 | バスルーム〜大型スタジオまで |
バンドで使うクリーン/クランチ/ハイゲイン/ベース/アコギ風まで対応します。
1本のプラグインで完結するのが地味に大きい。
オルタナやグランジ、シューゲイザーにポストロック。
ジャンルを問わず、複数のトーンを素早く切り替えられるのが強みです。
2. VIR™とDIM™──宅録ギターが「分厚く」鳴る理由
数字以上に効くのが、音の作り方そのものです。
MAX v2には2つの独自技術が入っています。
VIR™(Volumetric Impulse Response)
スピーカー1本につき600本のIRを取得。トータルで14万本超。マイクをキャビ前の3D空間でミリ単位で移動できる。
DIM™(Dynamic Interaction Modeling)
アンプ内部の各回路が互いにどう影響し合うかまでモデリング。ノブを動かしたときの「反応」が実機に近い。
宅録のライン録りギターは、どうしても「ペラい」「浮く」と言われがちです。
VIR™のおかげで、マイクをほんの少し動かすだけで音の太さがガラッと変わる感覚が掴めました。
オルタナやグランジ、シューゲイザーなどの厚みのあるギターサウンドでも同じです。
軸マイクをセンターから外側へ数センチずらしてみてください。
轟音の「壁」が一段奥行きを持ちます。
3. TONEX連携──v2の目玉ポイント
v2でいちばん革命的なのがTONEX連携です。
TONEXはAIで実機の音を「キャプチャー」する別ソフト。AmpliTube 5 MAX v2の信号チェインが進化しました。
TONEXのTone Modelをそのまま差し込めるようになっています。
イメージとしては「AmpliTubeの広いエフェクトボード上に、TONEXでキャプチャーした自分専用アンプを置ける」感じです
これは両方持っている人ほど恩恵が大きい仕様です。
私のようにTONEX MAXも所有している場合はさらに便利です。
ToneNETでダウンロードした他人のキャプチャーが使えます。
自分の作ったTone ModelもAmpliTubeのチェイン内で歪み前・歪み後どこにでも置けます。
「AmpliTubeのエフェクト群+TONEXのアンプ」というハイブリッド運用ができます。
事実上、足りない音はもう存在しない状態です。
4. 8トラックレコーダーでメンバー共有用デモが即完成
ここがバンドマン視点で意外と効くポイントです。
AmpliTube 5 MAX v2はスタンドアロンで起動できます。
内蔵の8トラックレコーダーで簡易DAWとして動きます。
「アイデアが浮かんだ瞬間、Logic Proを立ち上げる前にサクッと録る」。
「メンバー共有用にラフを書き出してGoogle Driveに上げる」。
これが1本で完結します。
これだと思いついたフレーズが消える前にセッションが終わってしまうことがあります。AmpliTubeの内蔵レコーダーはスケッチ用と割り切ると本当に便利です
さらにSpeedTrainerでオーディオを取り込めます。
ピッチを変えずに再生速度だけ落とせるので、参考曲のコピーや耳コピにも使えます。
5. ライブモード搭載──リハ・ライブにも持ち出せる
宅録専用と思われがちですが、AmpliTube 5 MAX v2にはライブモードが用意されています。
UIをライブ用に最適化できます。
MIDI対応フットコントローラーでプリセット切替が可能です。
BOSS GT-1000 COREやAXE I/Oが使えます。
ノートPC+オーディオインターフェイス+フットコントローラーで、リハ・小規模ライブまで対応できます。
ライブ運用ではPCの安定性が命なので、本気で使う場合はPCの省電力設定をオフにする・余計な常駐ソフトを切る、などの最適化を必ずやっておきましょう
長年使い込んで分かった、オルタナ・シューゲ宅録での使用感
ここからは具体的な使用シーンを紹介します。
ライン録りの基本手順(Logic Pro+Tascam I/F)
私の宅録の流れはこんな感じです。
step
1ギター → Tascam I/F(HiZ入力)→ Mac
ライン入力なので、まず素のDI信号をLogic Proに録音します。
step
2Logic ProのトラックにAmpliTube 5 MAX v2を挿す
プラグインスロットにインサート。素のDIを後からアンプ/エフェクト処理できるのが強みです。
step
3プリセットを選び、マイクとキャビを微調整
VIR™のおかげでマイク位置を数ミリ単位で動かせます。
step
4書き出してメンバーに共有
Google DriveにアップロードしてLINEで共有、で完了。
後から「やっぱりもう少し歪ませたい」「マイク変えたい」が無限にできることです。バンドのデモを何度も練り直すバンドマンには本当に合います
ライン録りとマイク録りの違いがよく分からない方は、先にこちらの記事を読んでおくとスッキリします。
オルタナ・シューゲ系「壁の音」のチェイン例
オルタナやグランジ、シューゲイザーなどの厚みのあるサウンドを作るときです。
リバーブやディレイを活用します。
AmpliTube 5 MAX v2の中で次のように組んでいます。
チェイン例(左から右へ)
コンプ → リバースリバーブ → ファズ系ストンプ → ハイゲインアンプ(Mesa/Boogie系)→ VIR™で1×12キャビ+リボンマイク → 大型ルーム → モジュレーション → ロングディレイ → 板リバーブ
ポイントは歪みの前にリバース系を入れること。
これだけで「あの壁の音」にぐっと近づきます。
メンバーへのデモ共有(Google Drive運用)
私はバンドメンバーと曲をやり取りするときの手順があります。
2-mix書き出し+Logic Projectファイルの2点をGoogle Driveに上げます。
AmpliTube 5 MAX v2はプリセット情報がプロジェクトに保存されます。
メンバーがLogic Proで開いた瞬間に同じ音で再生できるのが良いところです。
「あのギターの音はどう作った?」のラリーが減るのは、地味だけど効率に直結します。
TONEX MAXとの使い分け──両方持っている筆者の結論
ここは両方持っている人の特権で書ける部分です。
| 用途 | 向いている方 |
| 「これだ」というアンプ1台の音を極めたい | TONEX MAX |
| 同じ曲の中で何台もアンプを使い分けたい | AmpliTube 5 MAX v2 |
| 多彩なストンプ・空間系をプラグイン内で完結させたい | AmpliTube 5 MAX v2 |
| 実機の感触に肉薄したい・人のキャプチャーで遊びたい | TONEX MAX |
| ライン録り→後処理を効率化したい | どちらも◯(連携可) |
「アンプ単体ならTONEX、ボード全体ならAmpliTube」です。v2のTONEX連携機能のおかげで、片方だけ買う理由はもうほぼなくなったと思っています
TONEX vs AmpliTubeのより踏み込んだ比較は別記事でまとめる予定です。
→ TONEX vs AmpliTube 5|ギタリストはどっちを軸にすべきか
メリット・デメリットまとめ
メリット
・アンプ/エフェクト数が圧倒的──バンドの全パートをカバー
・VIR™とDIM™で「分厚い宅録ギター」が現実的に作れる
・TONEX連携で「足りない音」をAIキャプチャーで補える
・最大57モデルを同時に並べられる自由度の高いチェイン
・スタンドアロン+8トラックレコーダーで即デモ化
・ライブモードでステージ運用にも対応
デメリット・注意点
・プラグイン単体としてはCPU負荷が重め──バッファサイズ調整は必須
・モデル数が多すぎて最初は迷子になる
・通常価格は高めなので、後述のセール時を狙うのが現実的
・ToneNETでの音源アップロードは現状US限定
CPU負荷についても触れておきます。
サンプルレートは44.1〜48kHz、録音時のバッファは128以下にします。
ミックス時に512〜2048へ上げる運用で十分実用範囲に収まります。
こんなバンドマンにおすすめ/おすすめしない
おすすめできる人
- 1曲の中で何種類もアンプを使い分けたいバンドマン
- ライン録り中心で、後処理で音を作り込みたい人
- Logic Pro標準のAmp Designerでは物足りなくなってきた人
- すでにTONEXを持っていて、エフェクトボードを拡張したい人
- シューゲ/オルタナ/ポストロックなど「音作りが命」のジャンル
あまりおすすめしない人
- 欲しい音が1〜2種類に決まっていて、それ以上は要らない人(→TONEXで十分)
- 非力なPCで宅録している人(買う前にデモ版でCPU負荷を確認)
- シンプルなクリーン1音色だけで完結する人
動画で雰囲気を掴むのがいちばん早い
文章だけだと音のニュアンスが伝わりにくいので、以下の動画を埋め込むのがおすすめです。
▼ 埋め込み動画:自作デモプレイ動画(オルタナ/グランジ/シューゲなど複数ジャンルの音作り例をカバー)
実際の音やUIの操作感が分かります。
マイク位置調整の様子まで見られるので、購入前のチェックをおすすめします。
▼ 埋め込み動画2:TONEX MAX との A/B 比較デモ(同じフレーズをTONEX→AmpliTubeで弾き比べ)
購入方法とおすすめのタイミング
AmpliTube 5 MAX v2はIK Multimedia公式で購入できます。
Plugin Boutiqueなどのプラグイン専門ストアも選択肢です。
通常価格は高めですが、ここで重要なポイントが1つ。
毎年ブラックフライデー(以下BF)期に注目です。
TONEX MAXとAmpliTube 5 MAXの「両取りバンドル」が大幅値下げで出ます。
2年連続で恒例になっており、過去には定価合計の8割以上引きになった年もあります。
急ぎでなければ、BFや夏セールを待つのが最も現実的な買い方です。
最新のBFセール情報はギタリスト向けDTMブラックフライデー完全ガイドで随時更新中です
Total Studio 5 MAXについて
AmpliTube 5 MAX v2やTONEX MAXなどをまとめて揃えられるバンドルです。価格・セール情報は変動するため、購入前に必ず商品ページでご確認ください。
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よくある質問
Q. Logic Pro標準のAmp Designerじゃダメ?
シンプルなクリーン〜クランチだけなら標準で十分です。
ただし限界もあります。
マイク位置の細かい調整や複数アンプの同時並列を本気でやりたくなった瞬間です。
Amp Designerでは届かないところに行きたくなります。そのタイミングがAmpliTube導入の合図です。
なおLogic Proそのものの価格は時期や地域で変わります。
最新の価格はApple公式で確認するのが確実です。
Q. TONEXとAmpliTube、最初に買うならどっち?
「1台のアンプを極めたい」ならTONEXです。
「複数アンプ+エフェクトを自由に組みたい」ならAmpliTubeになります。
私自身はTONEX MAXを先に買ってからAmpliTubeに広げた口です。
ただしバンドの宅録を1本で完結させたいならAmpliTubeからのほうが満足度は高いと思います。
Q. 古いAmpliTubeからのアップグレードはできる?
IK Multimedia公式アカウントにライセンスが紐づいている場合です。
クロスグレード/アップグレードのキャンペーンが定期的に出ます。
特にBF期は通常より深い値引きが期待できるので、シーズンを待つのも手です。
Q. CPUが重いと感じたら?
サンプルレートは48kHzにします。
録音時のバッファサイズは128以下、ミックスに移ったら512〜2048に上げます。
この運用で大抵は解決します。
Windowsの場合は電源プランを「高パフォーマンス」にします。
Macの場合はバックグラウンドアプリをできるだけ閉じるのが基本です。
まとめ:バンドの宅録を1本で終わらせたいなら本命
この記事のまとめ
・AmpliTube 5 MAX v2はバンドマンの宅録に必要十分
・VIR™/DIM™で「分厚い宅録ギター」が現実的に作れる
・TONEX連携で「足りない音」もカバー可能
・通常価格は高めなので、BFや大型セールを狙うのが賢い買い方
・すでにTONEXを持っている人は迷わず追加して損なし
AmpliTube 5 MAX v2は最初に行き着いて最後まで残る選択肢になると思います。BF期の動きはこのブログでもチェックしますね